失敗しない外壁の塗り替えを行うためには、そもそも外壁塗装がどのような流れでどの程度の期間かかるかを、知ることが重要です。
必要な工程を知ることで、その費用の適正性も分かるし、いわゆる手抜き業者が何を手抜きしているのかも知ることが出来ます。
工事前
1.近隣への挨拶
契約後に工事に入る前に行うこととして、近隣への挨拶があります。
これは工事業者にも行ってもらうことも当然ですが、家主であるあなたも是非やっておくべきことです。
どんなに注意していても近隣への迷惑はかけてしまいます。
塗料の臭いだったり、足場の組み立て時、解体時の金属音、高圧洗浄機の音といった騒音、洗浄時の水しぶき、塗料の飛散、職人さんの車の駐車等は避けられないものです。
多少のことは、許してもらえることも、事前に挨拶していないばかりに感情的になり大事となる可能性もあります。
そのようなことを避けるためにも、転ばぬ先の杖ではありませんが、挨拶は、業者がやってくれたからと、安心することなくあなた自身でも行っておきましょう。
挨拶の際、500円から1000円くらいのちょっとした手土産を持参して、「いついつからいつ頃まで外壁塗装を行うので、水しぶき、騒音や臭いなどで迷惑をおかけします」といった内容で、挨拶をおこなうと良いでしょう。
具体的な作業内容や工事日程、隣接した駐車場の車へのシートかけの依頼といったことは、工事業者さんから話してもらうと良いでしょう。
前工程
前工程は、塗装を行うための準備作業になります。
塗装そのものではありませんがこの工程を確実に行うことが
耐久性があり、綺麗な塗装仕上がりになるかの肝になります。
2.足場の設置 1~2日
実際の工事は、着工初日に足場の架設を行います。
足場は塗装業者自身で行う場合もありますが、専門の足場設置業者がおこう場合もあります。
施主であるあなたからみたら、無駄な出費に感じるかと思いますが、高所でしかも道具を持って作業するというのは、極めて不安定で危険が伴うものです。
最近では足場なしでおこなう業者もあるようですが、安定性がなく、危険であるばかりでなく品質的にも疑問です。
職人さんが安全に効率的にしっかりとした作業を行うためには必要なものです。
また、足場には他にも重要な役割があります。
それが、足場の周りに飛散防止ネット(メッシュシート)を張ることです。
これにより、洗浄水や塗料が近隣へ飛散することを防止することです。
3.高圧洗浄 1日
塗装を施す場所(外壁や屋根など)に付着しているホコリ・汚れ・カビなどを洗い流し落とす下処理になります。
最も大事な下処理作業の一つで、この作業をおろそかにすると塗装後に剥がれや膨れたりという「塗膜欠落」が起こる場合があります。
外壁に新しい塗料をしっかり密着させるためには、ただ洗うのではなく汚れや軟弱な塗膜、そして藻を完全に除去する必要があります。
かなり激しく藻が発生している場合は削り取るように根気よく洗っていきます。
洗浄の際に、アルミの手すり等を洗浄機のホースで傷つけないように1人が
ホースを引き回して洗浄する職人をサポートして作業します。
4.乾燥 2~3日
高圧洗浄後、建物が乾くのを待つ期間です。
外壁が完全に乾燥していないと塗料がしっかりと着かないため、大変重要な工程です。
5.養生 1日
非塗装部分への養生作業を開始します。
エアコンの室外機には、専用の養生カバーを被せます。
この専用カバーは空気が通るようになているので工事中でもエアコンが使えます。
6.下地調整 1日
外壁塗装後に発生するトラブル原因の80%以上が下地処理不良が原因です。
建物の劣化を防ぐ為に、塗装の前に凹凸や亀裂、欠損やピンホールなどを削り取ったり埋めたりします。
後工程
ここからが実質的な塗装工程となります。
塗装は下塗り、中塗り、上塗りの最低3回塗ります。
縦樋などの塩化ビニール部分は2回塗りが基本です。
何故塗装は複数回塗る必要があるかというと、塗料は乾燥前の塗膜には水分が含まれます。
この水分が乾燥中の塗膜から蒸発します。
その結果、乾燥した塗膜には水分が抜けたところに目に見えない小さな穴が開きます。
この目に見えない小さな穴を防ぐためにも塗装は複数回塗る必要があります。
しかし、業者によっては2回しか塗らないところもあります。
中には下塗りさえもしないで、上塗り一回だけという業者も存在します。
しっかりとした業者か見極めるためにもこの工程をしっかりと行っているか確認することが大事です。
7.下塗り 1日
下塗りの目的は、下地強化と外壁にしっかり塗料を定着させるための接着剤的な役割があります。
下地が鉄部なら鉄が錆びないように、さび止め材を塗ります。
これでさび止めと、上塗り材との密着性を強化します。
下地がサイディングボードなら上塗り材との密着を良くするためにシーラーを塗ります。
下地が凹凸のあるモルタルやリシン壁なら下地の表面を平らにするフィラーを塗ります。
このように下塗りで重要なのは下地の特性に合わせた下塗り剤を塗ることが大事です。
8.中塗り 1日
中塗りの目的は耐候性を高めるために行います。
なので、中塗りを行わないと劣化が早まります。
しかし、完成後の見た目では、2回塗りか3回塗りかは判断がつきません。
そこであることをすると、2回塗りなのか、3回塗りなのかを判断する方法があります。
それはしっかりした業者であればやっている方法ですが、それは、2回目と3回目の塗料の色を変えてもらうことで判断がつきます。
中塗りと上塗りで、色を変えてもらうことで、塗装に対して素人であっても手抜きを見抜けるのです。
また上塗りの塗り残し箇所が明確にわかるので、塗り残しもを防げます。
中塗り、上塗りが同じ色だと、上塗りの際に塗り残したどこなのかが分かりずらいですよね。
塗り残しを無くすためにの是非、塗装業者に色を変えてもらうようにしましょう。
9.上塗り 1日
実際の外壁の最終的な見た目の色になります。
見た目的には最も重要な工程ですが、それも中塗りまでの工程を確実に行ってきたことが前提です。
中塗りでも触れましたが、中塗りと上塗りと色を若干変えることで、塗り残しを防ぐことが出来るので確実に塗り残しが無いようにチェックすることが重要です。
10.検品・撤去 1日
全ての塗装が終了したら仕上がり状態の点検をします。
気になる箇所は修正してもらい、満足のいく仕上がりでない場合は塗装業者と話し合いのうえ修正を依頼します。
問題がなければ足場を解体し、最終チェックをしてすべて撤去します。
最後に周辺の清掃をして引き渡しをすれば工事完了。
ここまでで約10日~2週間前後で完了